平成26年度の国内経済は、4月の消費税増税に伴う駆け込み需要とその反動による一時的な景気の落ち込みが見られましたが、政府の経済強化対策により年度後半から徐々に回復基調となり、大手企業の大幅な賃上げや雇用の拡大、株価の高騰等、景気回復が現実のものとなっております。
しかし、中小企業、とりわけトラック輸送業においては、運転者不足、運賃適正収受、燃料費・環境対策等の課題が山積しており、景気回復が十分浸透していない現状にあります。
こうした情勢下、共済事業の各般において事業の推進に取り組みましたところ、共済契約は、新規組合員の加入・契約獲得等により、延べ契約台数が過去最高となる16,000台余りに達し、任意自動車共済の掛金収入も予算額を上回る8億4,300万円余、前年度比2.9%の増収となりました。
また、自賠責共済においても契約台数が増大し、掛金収入は前年度比10%強の伸びとなりました。
一方、交通事故の発生は、年初から著しく増加し、全共済種目において昨年度の発生件数を大幅に上回りました。
死亡事故は、昨年と同数の2件2名が発生し、更に対物及び車両共済では、高額賠償を伴う多重追突事故等の重大事故が続発しました。
収支は、掛金収入が増加した一方で、高額賠償事故の続発と過年度発生の重大事故の解決により支払共済金総額が7億1,300万円に達する等、支出が大幅に増加し、前年度比増収減益となりました。
重点施策としまして、
○ 反社会的勢力との関係遮断対策として定款及び約款の一部改正
○「運転適性診断実施者」の認定取得に向けた産業カンウンセラーの養成
○ 共済掛金割引・割増制度の改正による制度の適正化
等の諸施策を講じ、共済事業の強化・充実および健全運営に努めました。
組合員数 | 424 | 社 |
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対人共済契約数 | 5,689 | 台 |
対物共済契約数 | 5,559 | 台 |
車両共済契約数 | 1,910 | 台 |
搭乗者共済契約数 | 2,893 | 台 |
自賠責共済契約数 | 3,242 | 台 |
資産総額 | 22億6,932 | 万円 |
自己資本比率 | 63.8 | % |
支払余力比率(注) | 2807.4 | % |
税引前当期利益額 | 5,197 | 万円 |
配当金額 | 利用分量配当 約3,746 | 万円(配当率3%~8%) |
(注)当組合の支払余力比率は、中小企業等協同組合法に基づき算出しておりますが、損害保険会社のソルベンシーマージン比率と算出基準が異なるため単純には比較はできません。
中小企業等協同組合法施行規則等の改正に対応し、平成24年度以降の支払余力比率計算におけるリスク計数を一部変更しました。